さて、先日は相模原まで取材。
話題の本『生き物の持ち方大全』(山と渓谷社)を出版した、カメラマンの松橋利光さんの紹介VTRを撮るのだ。
松橋さんは、カメラマンという仕事柄、これまで色んな生物を"持って"きた。番組では松橋さんにゲスト出演して頂き、"生き物に優しくて、人間にとっても安全な、色んな生き物の持ち方"を教えて貰うおうというのだ。
ということで今日は、松橋さんを紹介するVTRの撮影。
「いつもの仕事振りを見せて下さい」とお願いすると、「では、ちょっとドライブしましょう」と言われる。
どれくらい運転するのかな?と思いながら、松橋さんの運転する三輪バギーに付いていくと、ほんの数分で、緑あふれる環境に。
山と山に囲まれた谷間を流れる川。
咲き乱れる色とりどりのコスモス。
ああーきれい、相模原っていい所だね。
バイクを下りた松橋さんは、カメラを持って草むらにザスッザスッと入っていく。怖々と付いていく。(←実は私は虫が大の苦手)
1分もたたないうちに、松橋さんが言う。
「ホラ、ここに居た」
指さす先を見ると、小さな緑色のアマガエルが草の上にちょこんと座っている。
松橋さんは写真を撮った後、すっとカエルに手を伸ばす。
あまりの早業で何が起きたのか分からない。
「アマガエルは小さいから、ヘタに持つと傷つけてしまう。だからこうして空間を作ってあげるのが一番なんです。」 そう言って、松橋さんがこちらに差し出した両手は重ねられた中に空洞ができている。そして隙間から、カエルが小さな顔を出していた。ほぇ~、かわいい~。
次はカマキリ。
松橋さんはとにかく生き物を見つけるのが早い。
一方、こちらは全然気付かない。
カマキリはその名前の通り、カマを持っている。
ケガをする程ではないが、
下手に持つと攻撃されて痛い思いをする。
特に今の時期、カマキリのメスは出産前で気が荒いらしい。
だから松橋さんは、カマキリがカマを振れないように、背中から腕と一緒につまむように持つ。極意は「エスプレッソを持つくらいの感覚だという」なるほど。
「ほぉ」と感心していると、「持ってみますか?」と松橋さんが言ってくれる。
でも、虫の中でもカマキリは一番の苦手だ。
ジリジリ後ずさりながら「さ、さ、撮影がありますので・・・」なんて言って辞退する。
子どもの頃は虫が平気だったのに、いつから、どうしてダメになったのだろう?と自問する。
ファインダーから見たカマキリは、
「アタシ、メチャクチャ怒っています」って顔。
アマガエルは、顔を出して「あれ?ここどこ?」って感じ。
イナゴは「観念しています。煮ても焼いても、お好きにどうぞ」・・・。
そして、どれもこれも松橋さんがそっと手を離すと、
ふわっと、元いた場所に戻っていった。
実は最初、生き物を持つことに対して、視聴者から反発を受けたらどうしよう?と思っていた。
「人間が持ったりして、生き物がかわいそう」って言われたらどうしよう?って。
でも松橋さんと一緒に取材して、その不安は晴れた。
わざわざ、危険な生き物に触れる必要はない。
でも、身の回りにいる生き物に触れることは悪いことじゃない。
触れることで、はじめて実感できることもあるからだ。
例えば「相手も生きているんだ」ってこととか。
きっと私が虫嫌いになったのも、長い間、虫から離れた生活を送っていたせいだ。
とても気持ちのいい撮影だった。
まるで子どもの頃に戻った気がした。
で、虫嫌いは治りましたか、って?
それは・・・ダメでした。
たぶん、年取り過ぎたんですね。