人形劇団 ひとみ座に潜入!!
ひとみ座は都内の静かな住宅地にある。幹線道路を外れてクネクネと細い道を走っていたら、おっと、カーナビが途中で止まっちゃったよ。大丈夫?
やっぱり迷ったかな?と引き返そうと思ったその時に、こちらに向かってニコニコ手を振っている高橋さん(ひとみ座 操演さん)の姿が目に入った。
車から外に出てふと顔を上げると、おお!「ひとみ座」の看板がついた大きなビルが二つも。
後で聞けば、一つのビルには稽古場があり、もう一つのビルには座員の住居スペースがあるのだとか。なんという職住接近!!
どっちのビルに入るのかな?と思っていたら、高橋さんはそのままずんずんと奥に進んでゆく。どうやら、アトリエ(人形を作る工房)は別の建物らしい。
アトリエは昭和を感じさせる背の低い建物だった。
入るとまず打合せの場所がある。さっそく高橋さんと、森山クマ吉編集長を屋外で動かす作戦を練る。しかし私は打合せの最中も、奥の作業場が気になってしょうがない。見たいよーーん。
そこで打合せが終わった後、恐る恐る、高橋さんに作業場を少し見せて欲しいと、お願いしてみた。
私が見たいと行っている場所は人形作りの聖域だ。断られることも覚悟していたのだが、高橋さんは気持ちよくOKしてくれる。わーいわーい。
室内に一歩入った途端、胸がドキンとする。
広すぎもせず、狭すぎもしない空間。色んな工具が壁に吊されたり、描きかけのデッサンが机の上に置かれたりしている。いいなぁ、この感じ。手でモノを作っ
ている場所特有の、いい空気が満ちている。
週末のせいかアトリエは人影が少ない。よーし、この際だ、奥まで勝手に覗いちゃおう。
まず、入ってすぐ左。2メートルくらいの巨大なからくり人形が置かれている。
首から下が衣装で覆われていないので、動きを操る糸が精巧に組まれているのが一目瞭然。後で聞いたら、この人形は左手に持った弓で実際に矢を放つのだそうだが、百発百中らしい。この人形からは、「見よ、ひとみ座の技術力」というメッセージがビシバシ伝わってくる。
右手には小部屋がある。天井まで布地が積まれ畳が敷かれている。そして中央の机にはミシンがでーん。
ここは裁縫部屋。中で作業をしていた笑顔の優しい人に聞いたら、衣装やパペットの布地部分を作る場所だという。この日は、ジャイアンのような男の子の人形が新しい服を作ってもらっていた。
さらに奥へと、ズイズイ奥へと進む。
すると、ボールに入った白い液体をスプーンで何かに垂らしている人がいた。表情は真剣、手先の動きは繊細だ・・・。どうやら、粘土製の人形の頭部に石膏を流しているらしい。
ひとみ座は大きく二種類の人形を使う。
ひょっこりひょうたん島のような、硬い素材で出来た人形。
もう一つは森山クマ吉編集長のような、口をパクパク動かす、ソフトな素材で出来たパペット。
パペットの頭部はウレタンなどを貼り合わせて作ることが多く、硬い素材の方は紙を貼り合わせた「はりこ」製が多いそうだ。
粘土で頭部を作る→石膏を流す→石膏が固まったら中の粘土を取り出す→石膏の型を使って、紙を貼り合わせながら固める。
「なんで紙なんですか?」と聞いたら、紙で作った方が、プラスチックより強度が高いんだって。
石膏を流し終わった時に自己紹介したら、「ああアニマルプラネット!私、編集長のお腹を作ったんです」と言われた。
そうか、あの素敵な曲線のお腹は、この人が作ってくれてたんだ。ありがとうございます。
見るもの、聞くもの、なんでも面白くて興奮していたら、高橋さんから遠慮がちに声を掛けられる。
「あのーそろそろ、行きましょうか・・・」
おっと危ない、忘れてた。今日はこれから、編集長初の屋外ロケに出るのであった。
ひとみ座さんのアトリエを見ることが出来て良かった。こんな気持ちのいい場所で、我らが森山クマ吉は生まれたんだね。
「また来たいなぁ」なんて思いながら、私、高橋さん&森山クマ吉編集長は、スタッフの待つ某公園に向かったのだった。
以下、次号。




