華恵ちゃんとの出会いは、打合せの席で構成作家Aさんが発した一言だった
「小学生で本を出した女の子どうかな?名前はね・・・えーと、ローマ字でhanaeだったかな?」
その時私達は、編集長の相手役を選ぶのに、四苦八苦していた。
スタジオから外に出ない編集長の目や耳となって現場に出かけていく助手。
アドリブの多いせいこうさんと、ポンポンと会話する相手。
何より、30分番組のほぼ全編に登場し続けるたった一人の人間・・・。
私達はそれまで30人以上の候補者と会って話をしていたのに、まだこの難しい役にピッタリの「これ!」と言う人に巡り会えていなかったのだ。
「hanaeって誰?」という状態だった私達は、さっそくサイトで調べ、華恵ちゃんが書いた『小学生日記』と、華恵ちゃんがモデルとして出ている雑誌Spoonを購入した。
『小学生日記』(角川文庫)は、文字通り華恵ちゃんが小学生の時に書いた文章をまとめた本なのだが、この衝撃がすごかった。(仕事帰りの終電の中で読み始め、そのまま止まらなくなって布団の中で読み終えた)そして華恵ちゃんという人に猛烈に会いたくなった。たとえこの番組に出演してもらうことが出来なくても一度会ってみたい、『小学生日記』はそう思わせる本だったのだ。
やがて、Spoonの編集部のHさんが間を取り持ってくれて、華恵ちゃんと連絡が付き、会社に来て貰うことになった。いま思えば、華恵ちゃんは少し緊張していたと思う。初めのうちは、ちょっと硬くて心細そうな表情をしていた。でも、こちらの質問に対して、一つ一つ考えながら丁寧に答えてくれるうちに、瞳がキラキラしてきたのが印象的だった。
華恵ちゃんが打合せの部屋を出た後、私達は自分たちがずっと探していた「宝物」を見つけたことを確信した。
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